過激なパフォーマンスで数々の伝説を打ち立ててきたロックバンド「X JAPAN」
今回はそんなX JAPANの絆をストレートに表した曲、「Without You」の歌詞の意味について考察していきたいと思います。
目次
XJapan「without you」はどんな曲?
この曲は亡くなった「HIDE」への想いを歌った曲であることはファンの間でも周知ですね。
X JAPANが再結成される前からYOSHIKIの楽曲として発表されている曲で、その頃からToshlが歌う前提で歌詞もありました。
実際にToshlが歌う「Without You」が初めて披露されたのは2008年3月28日のX JAPAN復活ライブの時です。
初めて聴いたときから、この曲を歌うのはToshlしかいない!と思うくらいに、Toshlにも重なる曲です!
音源として披露されているのは「THE WORLD 〜X JAPAN 初の全世界ベスト〜」(ライブ音源)と「WE ARE X オリジナル・サウンドトラック」(アンプラグド)のみです。
ちなみに現在に至るまで、ライブでもバンドアレンジは披露されていません。
ストリングスが入る時もありますが、基本的にはYOSHIKIのピアノとToshlの歌のみの編成であることから、幼馴染としての絆の深さを示す曲でもあると思っています。
XJapan「without you」歌詞の意味を考察!
HIDEへの想いを歌った曲。
ですが、歌詞を読むとToshlへの想いや2011年に亡くなったTAIJI。
今もバンドを共にするPATA、HEATH、SUGIZO。
今まで出逢った関係者たち、ファンへの想いがこもっていると思います。
X JAPANの曲の中ではすごくストレートな表現なので、皆さんのそれぞれの大事な人に思いを重ねて共感することができるのではないでしょうか?
HIDEへの想いだけではなく、色々な人に重ねて考察してみました。
XJapan「without you」Aメロ 歌詞の意味
歩き疲れた 夜にたたずむ
流れる涙を記憶に重ねて出会いの数だけ 別れはあるけど
限りない時が続くと信じてた引用:XJapan「without you」歌詞
『流れる涙〜』の部分はX JAPAN(YOSHIKI)らしい表現ですよね。
HIDEへのことを想いながら作るために一番最初に出てきたシチュエーション(振り返り)なのかと思います。
ファンや好いてくれる人も多いけど、離れていく人も多い中でデビュー前から志を共にしてきた仲間との時間が続くと思っていた。
でも今はそれが叶わなくなってしまった。
当時のその気持ちはファンも痛いほどわかったのではないでしょうか。
だから、今でもライブで聴くと胸が詰まる思いになってしまうのです。
XJapan「without you」Bメロ 歌詞の意味
傷つけ合った言葉さえ 今は抱きしめ
振り返るだけ I feel alone引用:XJapan「without you」歌詞
メンバー間のケンカや、一方的に思いをぶつけることすら、過去となってしまった当時、それすらも一人で噛みしめるしかない状況。
ここの部分はYOSHIKI目線だとこの曲を作った当時の時間ですね。
HIDEに対する想いだけではなくて、Toshlに対して、TAIJIに対して、バンドメンバー、関係者に対して、関わった人たちに向けての想いも入っていると思います。
XJapan「without you」サビ 歌詞の意味
How should I love you
How could I feel you
Without you
数え切れない思い出が時間を
埋めつくす引用:XJapan「without you」歌詞
『Without you』は「あなたなしで」と訳されています。
あなたなしでこれから私はどうしたら良いのか、今まで過ごしてきた思い出が溢れて止まない。
過去を振り返り懐かしむ部分ですが、ここの部分はファンの皆さんも一緒にこれまでの彼の姿を思い描くのではないでしょうか?
ここの部分に限らずですが、自分の大事な人とのことを思い浮かべる時に、この歌詞が出てくる人は多いのではないかと思っています。
XJapan「without you」2番Aメロ 歌詞の意味
同じ時代に生まれて出会った
それぞれ愛を 確かめるために引用:XJapan「without you」歌詞
YOSHIKIの書く歌詞は抽象的な表現が多いのですが、この曲のAメロの歌詞はとてもストレートで、ファンとも想いを共有できる表現になっています。
『同じ時代』というのは、Toshlと出会って、バンドを始めて、TAIJI、PATAそしてHIDEと出会った時代。
そしてHIDEに誘われたHEATHと出会い、今のX JAPANに欠かせない存在のSUGIZO(LUNA SEA)とも出会った。
のちに数々の伝説を残していくバンドと同じ時代に立ち会うことができたファンもまた奇跡のような出来事だと思います。
この曲がライブで演奏されるときはスクリーンに楽しそうなHIDEやTAIJIの姿、メンバーと過ごす時間が映し出されます。
それを観る度に「こんな場面もあったなぁ」とファンも懐かしみ、同じ目線で思い返すことができるのですね。
XJapan「without you」 2番Bメロ 歌詞の意味
I still remember 答えのない明日に
夢を求めていた日々を引用:XJapan「without you」歌詞
まだこの先に何があるかわからないけど、やりたいことや野望がたくさんあって、夢を追い続けていた時間。
この先伝説となっていくバンドだけど、この部分ではまだ夢の途中であることをYOSHIKIという青年の気持ちになって共感できる部分です。
XJapan「without you」 2番サビ 歌詞の意味
限りなく広がる空に もう一度
生まれた意味
今を生きる意味を
問い掛けて引用:XJapan「without you」歌詞
X JAPANの曲では度々『生きる意味』について考える歌詞があります。
あなたなしでどうしたら良いのか、出会った意味、生きる意味、当時の彼は本当に葛藤していたことがここの部分で伝わってきます。
葛藤については、映画「WE ARE X」でもYOSHIKI自身が「HIDEをXに誘わなければ死ななかったんじゃないか」と語っています。
XJapan「without you」 3番Aメロ 歌詞の意味
生きてる事が 時には辛くて
素直になれない 自分を演じてた貴方を愛して 貴方に傷ついて
愛と言う言葉の 深さに気付いた引用:XJapan「without you」歌詞
ここです!
個人的に、ここの歌詞が一番辛くて心に響くのです!
ここは一人の人間としてもすごく気持ちが入ってしまう部分ですね。
『生きてる事が 時には辛くて』の部分はYOSHIKIの気持ちがストレートに現れていると思いますが、こういう気持ちを吐露するような歌詞は本当に珍しいのではないでしょうか。
ここは歌っているToshl自身の思いもすごく重なってきます。
愛して傷つくのも、Toshlに向けた部分もあるのだろう、と思うくらい出会いからずっと一緒にいたメンバーであり幼馴染でもある。
それゆえに厳しくなってしまうこともあったのだろうということは、今までのレコーディングでToshlに対して厳しかったエピソードを聞いていても想像ができます。
また、Toshl自身もここの部分を歌う時は絞り出すような、辛そうな声になります。
Toshlのこれまでの状況を知っていると尚更その思いを想像して、心に刺さるフレーズになっているのだと思います。
XJapan「without you」 3番Bメロ 歌詞の意味
Do you remember 初めて出会った日の事
同じ夢を見た時を引用:XJapan「without you」歌詞
ライブのMCではYOSHIKIが昔を懐かしむようにToshlに語りかけるような内容が多いのですが、その時の光景が思い浮かびますね。
それを聞きながらファンもまた一緒に『同じ夢』を同じ目線で見る感覚になります。
今回改めて歌詞を考察してみるとBメロの歌詞の表現は本当にYOSHIKIという一人の人物と同じ目線で思いを馳せることができる表現であることに気づきました。
今更ですが、「なんだかよくわからないけど、一緒に懐かしい気分になる」のはそういうことだったのかと思いました(^-^;
XJapan「without you」 ラスサビ 歌詞の意味
限りなく広がる空に もう一度
生まれた意味
今を生きる意味を
問い掛けてHow should I love you
How could I feel you
Without you
終わりのない愛の詩を 今貴方に引用:XJapan「without you」歌詞
「あなたなしでどうしたら良いのか?」という想いではあるけれども、
『終わりのない愛の詩を』の部分から、それでも生きていく、これからも音を奏で続ける、という意志を強く感じます。
『愛』とありますが、色々な形の愛があると思います。
自分の身の回りの人に対する想いを重ねる人も多いのではないでしょうか?
XJapan「without you」歌詞の意味は? まとめ
直訳すると「あなたなしでは」という意味になりますが、決して悲観的な歌詞ではなく
Toshlも「それでも生きていく」というメッセージとして捉えていたといいます。
この曲の魅力は、YOSHIKIからHIDEへ贈った大切な曲ということだけではなく
Toshlをはじめとする仲間たち、ファンへの共有、自分に重ねることのできるストレートな歌詞にあるのだと思っています。