音楽

フジファブリック「若者のすべて」歌詞の意味は?”夏の終わり”に込み上げる感情を解釈してみる。

年代を問わず魅了し続ける、フジファブリックの夏の名曲『若者のすべて』。

ここでは、この曲に込められた歌詞の意味について解釈、考察をしていきたいと思います。

 

曲が流れた瞬間、フラッシュバックのように蘇る夏の記憶と、ノスタルジックな切なさが特徴の『若者のすべて』...。

ファンはもちろわん、多くの年代で愛され続ける『若者のすべて』の歌詞には、どのような想いが込められているのでしょうか?

ここでは歌詞に込められた意味を読み解きつつ、その歌詞は何を意味しているのか掘り下げていく内容となっていますので、一つの解釈のヒントにしていただけたらと思います。

 

「若者のすべて」はどんな曲?

真夏のピークが去った
天気予報士がテレビで言ってた
それでもいまだに街は
落ち着かないような気がしている

夕方5時のチャイムが
今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて便利なもので
ぼんやりさせて

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな

ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

世界の約束を知って
それなりになって また戻って

街灯の明かりがまた
一つ点いて 帰りを急ぐよ
途切れた夢の続きを
とり戻したくなって

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな

ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

すりむいたまま
僕はそっと歩き出して

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな

ないかな ないよな
なんてね 思ってた
まいったな まいったな
話すことに迷うな

最後の最後の花火が終わったら
僕らは変わるかな
同じ空を見上げているよ

引用:「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

若者のすべて』は2007年11月7日にリリースされた『フジファブリック』の10枚目となるのシングル表題曲。

3枚目のアルバムである『TEENAGER』、初めてのベストアルバムである『SINGLES 2004-2009』、オムニバスアルバムである『アイのうた4』にも収録されています。

既に十数年以上前にリリースされた楽曲ですが、今でもCMやテレビ番組でも流れる名曲ですので、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?

2009年に亡くなるまで数多くの良曲を生み出した志村さんですが、『若者のすべて』は特に評価が高く名曲といわれています。(公式では病名は不明。)

上のMVでは29歳の若さで亡くなった志村正彦さんがボーカルを勤めていますが、現在はもともとギタリストとして所属していた山内総一郎さんがボーカルを務めています。

ちなみに、山内さんバージョンの「若者のすべて」はこちらです↓

夏フェスでお馴染みのフジファブリックですから、今となってはこちらの山内さんバージョンの方が聴き慣れている感がありますね。

どちらが良いということではなく、どちらにも”違った感情”が描かれていて、唯一無二の良さがあります。

「若者のすべて」様々なアーティストがカバーした名曲。

また『若者のすべて』は、多数のアーティストがカバーしている名曲としても知られていますね。

2010年、『桜井和寿(Bank Band)』さんがカバーしたのを皮切りに、『藤井ふみや』さん、『槇原敬之』さん、『草野マサムネ(スピッツ)』さんなど、そうそうたる方たちがカバーし、ライブでも演奏されています。

楽曲の評価の高さがうかがえますね。

フジファブリック「若者のすべて」歌詞の意味を解釈

ここからは実際に歌詞の内容について掘り下げていきたいと思います。

「若者のすべて」は懐かしさの中にある寂しさや切なさが魅力の曲ですが、この曲に描かれる情景は、志村さんの故郷である山梨県の風景をイメージして作られたとのこと...。

作曲者である志村さんは

夏の終わりの最後の花火大会が終わった後の切なさや虚しさなど、感傷的になり考えてしまう所を歌った曲

引用:https://ja.wikipedia.org/

と語っていたそうです。

夏の終わりを描写した、切なくて美しい歌詞には、どのような意味が込められているのでしょうか?

限定的な描写が引き寄せる共感/Aメロ

真夏のピークが去った
天気予報士がテレビで言ってた

それでもいまだに街は
落ち着かないような気がしている

引用:「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

「真夏のピーク」という言葉には、暑さの表現だけでなく、にぎやかで勢いのある印象があります。

それが去っても街が落ち着かないというのは、単に街の喧騒が続いているという意味だけでなく、主人公の心情も表してそうですね。

音で感じる時間の経過と心情。/Bメロ

夕方5時のチャイムが
今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて便利なもので
ぼんやりさせて

引用:「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

夕方5時のチャイム」に特別な感情を抱いているようですね。

聞き慣れたチャイムが、いつもとは違った様に聞こえる、心境の変化があったのかもしれません。

そんな胸に響く感情も、何故だか理由が分からない。そんなときは、「それも一つの運命だったのかも。」と、曖昧なままにしておく。

 

ぼんやりと沈みゆく夕日とともに、時が止まったような雰囲気を感じる部分です。

花火とリンクする大切な思い出/サビ

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな

ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

引用:「若者のすべて」作詞作曲/志村正彦

『花火』を見ると思い出す、忘れられない思い出が彼にはあるようです。

それは何年たっても変わらない新鮮な気持ち。

また、ここで会えたら・・・

再び会えることはないと分かっていても、「もしかしたら」という思いを抱き、想像をしているようですね。

 

彼にとって、とても大切な存在の人なのかもしれません。その人は今、どこで、何をしているのでしょうか?

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