one ok rock(ワンオク)の『take what you want』はホンダのCMに起用された楽曲で、2017年に発売されたアルバム『Ambitions』に収録されています。
オーストラリアの4人組バンド5seconds of summerとコラボレーションしていることでも話題になりましたね。
今回はそんな「take what you want」の歌詞の意味ついて和訳・考察していきたいと思います。
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ワンオク「take what you want」はどんな曲?
「take what you want」は2017年1月11日に発売されたアルバム『Ambitions』に収録されている楽曲です。
オーストラリアの4人組バンド5 seconds of summerをフューチャリングし、話題を集めましたね。
アルバム『Ambitions』は日本盤と海外盤の2種類が発売され、収録されている楽曲にも違いがあるようです。
「take what you want」はホンダのnewシビックのCM曲として使用されていて、CM自体にも、滅多にメディアに登場しないワンオクメンバーが出ています。
ワンオク「take what you want」PVは?
こちらの曲にはPVはありませんが、リリックビデオがYoutubeで公開されています。
楽曲もフルで聴けるので、よかったら どうぞ!
ワンオク「take what you want」歌詞の意味を考察
「take what you want」このフレーズにはどういった意味が込められているのでしょうか。
さっそく和訳を見ながら考察していきましょう。
ワンオク「take what you want」Aメロ 歌詞の意味
Take what you want
(欲しいものを持って行けよ)
Take what you want and go
(君の欲しいものを持ってくれ)
過ぎ去った嵐のあとの静けさに
たたずんだ となりに君はもういない引用:「Take what you want」作詞/TAKA
メロディーは静かな始まりで、歌詞の通り、激しい嵐のあった後の物悲しい雰囲気が伝わってきます。
ここで言われている「嵐」とは一体 何のことなのでしょうか。
ワンオク「take what you want」Bメロ 歌詞の意味
I don't want anything in our broken home
(崩壊した家にもう未練なんてない)
Not the memories or the things we own
(思い出も何もない)
Not the picture of us on the wall
(家族の写真さえ飾られてはいない)
So take what you want
(だから君の欲しいものを持って行ってくれ)引用:「Take what you want」作詞/TAKA
どうやらこの「嵐」というのは本当に災害の嵐のことではなく、何かの例えであるようです。
人と人との関係の崩壊に至るような嵐、つまり離婚や別れですね。
ワンオク「take what you want」サビ 歌詞の意味
Can you hear me?
(僕の声が聞こえるか?)
I'm trying to hear you
(君の声を聞こうとしている)
Silence strikes like a hurricane
(沈黙はまるでハリケーンのようだ)
Now I'm singing for you
(君に向かって歌っている)
You're screaming at me
(君は僕に向かって叫んでいる)
It's hard to see your tears in the pouring rain
(雨の中では君が泣いているのに気づかない)引用:「Take what you want」作詞/TAKA
サビでは誰かとの通じ合えず、すれ違っている状態を歌っています。
歌詞から、お互いに叫びあっていることが分かりますが、その声はどうやら聞こえていないようです。
前半部分から考察していきましょう。
“Silence strikes like a hurricane”というのは面白い表現ですよね。
轟音のハリケーンで沈黙を例えているわけですが、これは直訳してみると「沈黙はハリケーンのように(僕を)襲う」となります。
つまり、ハリケーンが物理的に大きな被害を与えるように、沈黙が心理的に激しいダメージを与えているということでしょう。
「叫んでいる」はずなのに、「沈黙」というのは、一見すると矛盾していますよね。ここの解釈としましては、この「叫んでいる」というのも心理的な表現なのではないかと考えられます。
心の中で、自分の思いを一生懸命に叫んでいる、相手に訴えかけている。しかし相手は「僕」の声には耳を貸してはくれない。だから沈黙の中で声を上げているという状況が成り立ちます。
また、後半部分ですが、ここは前半部分と対になっています。
“Silence strikes like a hurricane”は聴覚的に、” It's hard to see your tears in the pouring rain”は視覚的に思いが伝わらないことを表現しています。
ワンオク「take what you want」2番Aメロ 歌詞の意味
Take what you want
(欲しいものを持って行けよ)
Take what you want and go
(君の欲しいものを持って行ってくれ)
Just go now just go, go, go
(今すぐ出て行ってくれ)引用:「Take what you want」作詞/TAKA
キーフレーズ”take what you want”が繰り返されます。
相手に向かって歌っていたサビ部分とは対照的に、相手を突き放しているようです。
ワンオク「take what you want」2番Bメロ 歌詞の意味
Still remember a time when you felt like home
(君が家族のようにかつて感じていたことを今でも覚えている)
You and me up against the great unknown
(僕らはまだ見ぬ大きな壁にぶつかっている)
You were my life, now you're out of my life
(君は僕の人生そのものだった、だけど今はもう僕の人生に君はいない)
Yeah I guess that's life
(それが人生なんだ)引用:「Take what you want」作詞/TAKA
1番で歌われていた関係の崩壊ですが、ここでは想定されている相手がかけがえのない存在であったことが伺えます。
大切だったからこそ失ったときの喪失感も大きいのでしょう。
きっぱりと別れを告げ、新たな人生を歩みだそうとする意志が見えます。
ここまでを見ると、このサビの印象も変わってきます。
大切だった関係は修復不能なほどにバラバラになってしまい、もはやそれを取り戻そうとする気力もなく、諦めを感じます。
ワンオク「take what you want」Cメロ 歌詞の意味
Take it
(持っていけ)
No reason for me to hold on
(僕には持っている理由がない)
(Look in my eyes I'm letting go)
(僕の目を見て、君はもう自由だ)
Keep it
(持っていて)
Don't need it, don't need it, don't need it!
(もう僕には必要ないんだ)
Take what you want, take what you want and go
(だから君の欲しいものを持って行ってくれ)引用:「Take what you want」作詞/TAKA
ここでも”take what you want”が繰り返されます。
自分はもう何もいらないと言うことで、決定的な別れを告げています。
「take what you want」ラスサビ 歌詞の意味
ここまで見てきたように、「君」との関係が修復できないほど崩壊し、お互いの声も通じ合えないほどその崩壊具合が深刻であることが分かります。
ここまで歌詞を部分ごとに区切って 見てきました。この曲の背景についてもう少し考察してみましょう。
曲中で歌われている「君」や、「崩壊」は何を意味しているのでしょうか?
一つの解釈としては、ワンオクのボーカルのTakaさんはご両親が離婚されていて、それを暗に歌っている、というものです。
「家族の崩壊」はそのまま「離婚」を表しており、修復できなかった悲しみを歌に込めた、という解釈ができます。そして、この解釈では、家族がずっとすれ違ったままです。
しかしTakaさんは度々SNS上で父親の森進一さんと一緒にいる姿が見られるように、二人の関係は良好です。
このような曲に仕上がるほど、ぎすぎすした関係とは考えにくく、この解釈では少々不自然な感じがありますね。
もう一つの解釈としましては、家族以外の大切な人、例えば恋人との別れです。
こちらは一つ目より抽象的な解釈となりますが、完全に相手と決別する雰囲気、“take what you want”と繰り返されるフレーズなどは、話し相手を恋人と想定すると読み解きやすいのではないでしょうか?
そう解釈してみると、恋人との関係はもう終わっていて、完全に別れを告げようとしている。
そしてお互いに相手から離れて新たな人生を歩もう、と前向きな離別にしている、と読むことができます。
ワンオク ホンダcm「take what you want」歌詞の意味は? まとめ
今回はワンオク『take what you want』の歌詞の意味について掘り下げてみましたが、いかがだったでしょうか?
この曲は、大切な人との避けられない別れを目の前にし、自ら別れを告げることでお互いに前に進もうとしていると解釈できます。
この楽曲が起用されているホンダのCMでは、“Go, Vantage Point”というのがキーフレーズとなっています。CM中では、
「自分の外には自分の知らない感情が無数に存在し、全く矛盾する幸福感を持つ人たちが隣り合わせで生きているのだ、私のLOVEは誰かの悲しみだったり」
「あっちとこっちが日々対立する。ジレンマは現実である」
という様に、矛盾や分かり合えない困難を挙げる一方、CMの後半では・・
「壁があるなら壁の上に立ってしっかり向こう側を想像してやろうじゃないか」
「自分をもっともっと連れ出すんだ。見晴らしのいい場所へ」
と、困難や壁に突き当たった際、そこで終わらず、その先の、困難を乗り越えることに焦点を当てています。
楽曲の、前向きな離別と通ずるものがありますね。