音楽

米津玄師・菅田将暉「まちがいさがし」歌詞の意味を解釈【パーフェクトワールド/主題歌】

 

今回は米津玄師さんが作詞作曲をし、菅田将暉さんが歌う楽曲『まちがいさがし』の歌詞の意味について考察をしていきたいと思います。

 

この曲はドラマ”パーフェクトワールド”の主題歌に起用された楽曲ですが、歌詞にはどんな意味が込められているのでしょうか?

 

菅田将暉『まちがいさがし』はどんな曲?

 

まちがいさがしの 間違いの方に
生まれてきたよな気でいたけど
まちがいさがしの正解の方じゃ
きっと出会えなかったと思う

ふさわしく 笑い合えること
何故だろうか 涙がでること

君の目が貫いた 僕の胸をまっすぐ
その日から何もかも
変わり果てた気がした

風に飛ばされそうな 深い春の隅で
退屈なくらいになにげなく
そばにいて

まちがいだらけの 些細な隙間で
くだらない話を くたばるまで
正しく在りたい 在れない淋しさが
何を育んだでしょう

一つずつ探し当てていこう
起きがけの子供みたいに

君の手が触れていた
指を重ねあわせ
間違いか、正解か、だなんて
どうでも良かった

瞬く間に落っこちた
淡い靄(もや)の中で
君じゃなきゃいけないと
ただ強くおもうだけ

君の目が貫いた 僕の胸をまっすぐ
その日から何もかも
変わり果てた気がした

風に飛ばされそうな 深い春の隅で
誰にも見せない 顔を見せて

君の手が 触れていた
指を重ね合わせ
間違いか、正解か、だなんて
どうでもよかった

瞬く間に落っこちた
淡い靄(もや)の中で
君じゃなきゃいけないと
ただ強く思うだけ

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

 

まちがいさがし」は、人気シンガーソングライターである米津玄師さんが菅田将暉さんの為に作詞、作曲、プロデュースした楽曲です。

 

2017年にリリースされた米津玄師さんのアルバム『BOOTLEG』に収録の『灰色と青』で初めてコラボをした2人。

 

米津玄師さんから菅田将暉さんへの熱烈なラブコールによって実現したそうです。

 

しかも初対面の時米津玄師さんは緊張のあまり酒を飲みすぎてしまったのだとか(笑)

 

それを機に親交が深まった2人の約1年半ぶりのコラボという事もあって、注目が集まりました。

 

「まちがいさがし」は菅田将暉の為に書いた曲?

 

米津玄師さんから菅田将暉さんへの熱烈オファーにより実現した『灰色と青』

 

そのコラボをきっかけに親交が深まった2人ですが、今回の楽曲『まちがいさがし』は、米津玄師さんが、菅田将暉さんが歌う姿をイメージして作られた楽曲とのこと。

 

つまり、ドラマのために書き下ろされた楽曲では無いというわけですね。

 

しかし、もともとドラマ”パーフェクトワールド”のプロデューサーから主題歌オファーを受けていた菅田将暉さん。

 

「この曲を主題歌として起用したい」と提案し、ドラマ「パーフェクトワールド」主題歌として決定したのだそうです。

 

菅田将暉 コメント

四畳半の個室で「自分は間違い探しの間違いの絵の方に生まれたのかもしれない、でもだからこそ今目の前の人との出会いがあって・・・」と。
米津くんからこの曲の意図を聞いた時に生きている中で何となく不安だった自分にしかわからない気持ちに名前をもらったような気がしました。
きっとそれは、この文章を見ているあなたしかり、境遇は人それぞれだからこそ、その人自身にしかわからない苦しいものが必ずあると思います。
その気持ちはひとりのものであり、形は違うけどみんなもっていて、対象者がいることで自分の存在を肯定することができる。
そのあたたかさを軸に、大事に歌わせてもらいました。
救いでも祈りでもない集い。
「まちがいさがし」に、僕は出会えて幸せです。

引用:http://reissuerecords.net/

 

米津玄師 コメント

灰色と青で出会えて以来、会えばその都度「なんかやりたいね」という話を続けてきて、出来上がったのがこの曲でした。
彼の歌を聴くたび、バーンと喉から勢いよく飛び出してくるその声に毎度震えます。
いろんな人に早く聴いてほしいですね。
僕と同じように思うはずです。

引用:http://reissuerecords.net/

 

ドラマ「パーフェクトワールド」とは?

 

パーフェクトワールド」は、有賀リエの同名マンガを原作とするラブストーリーです。

 

事故で脊髄を損傷し車椅子生活を送ることになった建築士・鮎川樹が、高校の同級生・川奈つぐみと再会し心を通わせ合っていくさまが描かれています。

 

2018年には映画化もされ話題になりましたね

 

映画では主演の鮎川役を 岩田剛典さん。ヒロインの川奈つぐみ役を 杉咲花さんが演じています。

 

ドラマ版では、主人公「樹役」の松坂桃李さん、ヒロイン「つぐみ役」山本美月さんが演じています。

 

その他、瀬戸康史、中村ゆり、松村北斗(SixTONES、ジャニーズJr.)、木村祐一、水沢エレナ、堀内敬子、とよた真帆、麻生祐未、松重豊などの豪華キャストが名を連ねました。

 

余談ですが、このドラマがきっかけで、山本美月さんと瀬戸康史さんは、結婚することになりましたね。

 

現実では、幼馴染みの恋が実ったということです(笑)

 

ドラマ「パーフェクトワールド」を、まだ見ていない方はチェックしてみてください。

 

米津玄師/菅田将暉「まちがいさがし」歌詞の意味を解釈!

 

米津玄師さんが作詞作曲プロデュースを行った「まちがいさがし」は、菅田将暉さんが歌う姿をイメージして作られたもの。

 

確かに、ドラマ『パーフェクトワールド』の主人公である鮎川くんの境遇に当てはまる部分もありますが、あくまでドラマと関係なく作られている曲ですので、ここではドラマとは切り離して解釈していきたいと思います。

 

それではさっそく「まちがいさがし」の歌詞の内容をひも解いてみたいと思います。

 

「まちがいさがし」Aメロ・歌詞の意味は?

まちがいさがしの 間違いの方に
生まれてきたよな気でいたけど
まちがいさがしの正解の方じゃ
きっと出会えなかったと思う

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

 

この曲のタイトルでもある『まちがいさがし』には、他人と自分との違いに対する想いが込められています。

 

この歌詞の主人公は、人と違うことへの劣等感や、たくさんの葛藤を抱えてきたのでしょう。

 

性格の違い、能力の違い、見た目の違い、境遇の違い・・。

 

人は皆違って当たり前なのですが、一般的と呼ばれるモノに対して、自分との違いをふと実感してしまったとき、それは劣等感として心を苦しめることがあります。

 

でも、違うからこそ独自の感性を持ち、それに共感しあえる人間どうしが出会えた。

 

「類友の法則」とはよく言いますが、ある意味では、間違いの方だったからこそ出会いが生まれたのだと言うこと。

 

そう考えることが出来たとき、はじめて自分自身を肯定することができるようになります。

 

コメントでも菅田将暉さんは「生きている中で何となく不安だった自分にしかわからない気持ちに名前をもらったような気がしました。」と答えています。

 

菅田さん本人も、俳優として上を目指してきた中で、きっといろいろな葛藤や劣等感を感じてきたことでしょう。

 

そしてまた米津玄師さんも同じように劣等感や葛藤を感じながら生きてきたはずです。

 

そんな二人がこうして出会えたということ。まさに、菅田将暉さんと、米津玄師さんのような関係性ですね。

 

「まちがいさがし」Bメロ・歌詞の意味は?

相応しく 笑い合えること
なぜだろうか 涙がでること

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

 

境遇は違えど、何の隔たりもなく笑い合える存在の温かさに涙が出る・・。これは喜びの涙なのでしょう。

 

菅田将暉さんのコメントにもあるように「その人自身にしかわからない苦しい境遇の中で、形は違えど対象者の存在が自分を肯定できる。」と言っています。

 

それって実はとても大切なことなのかもしれないですね。

 

以前ラジオで米津玄師さんは「菅田将暉という人物は、自分と真逆の世界に存在する人間」と言っていましたが、だからこそ惹かれあう2人なのでしょう。

 

違うからこそ惹かれあう・・・。恋愛にも友情にも言えることですね。

 

「まちがいさがし」サビ・歌詞の意味は?

君の目が貫いた 僕の胸をまっすぐ
その日から何もかも
変わり果てた気がした

風に飛ばされそうな 深い春の隅で
退屈なくらいになにげなく
そばにいて

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

 

決して逸らさずに見つめてくれる真っ直ぐな瞳は、どんなに苦しい境遇にも光を与えてくれます。

 

恋人だったり、夫婦だったり。

大切な親友だったり、親や家族の存在だったり。

 

このサビでは聴き手の境遇によって、いろいろな相手をイメージできる部分だと思います。

 

風に飛ばされそうな深い春」の詩はとても深い表現ですね。春という、暖かさの中に「心の脆(もろ)さ」が現れている部分。

 

そんな時には、さりげない君の存在が必要なのですね。

 

何をするでもなく、声を掛けることもなく、ただそばにいてくれる。本当に心が温かくなる歌詞ですね。

 

ちなみにここのサビですが、米津玄師さんが菅田将暉さんに渡したデモ音源では、サビの冒頭部分はファルセット(裏声)だったんだそうです。

 

でも、それを忘れていた菅田将暉さんは、そのまま地声で力強く歌ってしまったとのこと。

 

しかし、米津玄師さんはその歌声を聴いて「このサビはこう歌うべきだったんだ!」と思ったそうです。

 

そしてこの瞬間に「まちがいさがし」は間違いなく菅田将暉の曲として成立したんだそうですよ!

 

作者として拭えなかった米津玄師っぽさを、いい意味で壊してくれたと語っていました。

「まちがいさがし」2番Aメロ・歌詞の意味は?

まちがいだらけの 些細な隙間で
くだらない話を くたばるまで
正しく在りたい 在れない淋しさが
何を育んだでしょう

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

正しくあることが果たして正解なのでしょうか?

 

正しく在れない、不完全さこそ人間らしさであり、心を育てるのだと私は思います。

 

ラジオでも菅田将暉さんは「世の中は間違いだらけ」と言っていました。

 

しかし、それを悲観するのではなく「その中で何を学ぶのか?」ということが大切なのかもしれませんね。

「まちがいさがし」2番Bメロ・歌詞の意味

一つずつ探し当てていこう
起きがけの子供みたいに

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

「起きがけ」というのは、起きたばかりのという意味。まだ起きたばかりの子供は寝ぼけた状態で、すぐには動き出せないものです。

 

それでも焦らずゆっくりと・・。

 

それくらいのペースで自分自身の答えを見つけていこうという意味なのかもしれませんね。

「まちがいさがし」2番サビ・歌詞の意味

君の手が触れていた
指を重ねあわせ
間違いか、正解か、だなんて
どうでも良かった

瞬く間に落っこちた
淡い靄(もや)の中で
君じゃなきゃいけないと
ただ強くおもうだけ

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

言葉ではなく、触れることで伝わる感情ってありますよね。ここでは、どちらかというと、恋人同士を表現しているように感じます。

 

この部分に関しては、ドラマ『パーフェクトワールド』での2人にとてもよく当てはまる部分ですね。

 

触れ合う温度で感じた瞬間、過去がどうとか、境遇がどうとか、もはやどうでもよく感じたのでしょう。

 

辛い境遇、身体的障害もそうですが、性別の問題もそう。所詮「まかちがい」という決めつけは、一般論が作り上げた、数の暴力でしかないと私は思います。

 

「瞬く間に落っこちた深い靄(もや)」は、いつ起こるかわからないこと。でも、誰にでも起こりうる、辛い悲しみが起こったとき、初めてその存在の大きさに気づくのかもしれませんね。

 

事件、事故、争い。

 

いろいろな悲しみが渦巻く世の中ですが、だからこそ目の前にある幸せに改めて気づくことが大切なのではないでしょうか?

「まちがいさがし」Cメロ・歌詞の意味

風に飛ばされそうな 深い春の隅で
誰にも見せない 顔を見せて

引用:「まちがいさがし」作詞作曲/米津玄師

本当の意味で心を解き放つことが出来る存在。そして、自分自身が誰かにとってそんな存在になれるように。

 

この歌詞は本当に深い部分だと思います。逆境に立たされた、辛い環境の中でこそ見せる本当の顔。

 

上辺だけでない、人として飾ることのできない状態でこそ本当の顔だと表現している部分ですね。

 

それを私に見せて欲しいという、汚れた部分も、惨めな状態も受け入れる愛がそこにあるようです。

米津玄師/菅田将暉「まちがいさがし」歌詞の意味を解釈! まとめ

いかがでしたか?

 

「まちがいさがし」は、ドラマのために書き下ろされた曲ではありませんが、米津玄師さんが菅田将暉さんをイメージして作った歌詞は、ドラマでの境遇にも当てはまる、暖かな内容でしたね。

 

たとえ今の人生が「間違いの方」だったとしても、そうでなければ出会えなかった、君の存在。それに気づくことの大切さも表現されている歌詞でした。

 

ただ、一見すると爽やかで暖かい歌詞のようで、実は人間の深い部分を表現した歌詞でもある様子・・。

 

聴く人の環境によって捉え方も変わってくるのではないでしょうか?

 

-音楽