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米津玄師「灰色と青」歌詞の意味は?菅田将暉じゃなきゃダメだった?

今回は米津玄師×菅田将暉によるコラボ楽曲『灰色と青』の歌詞の意味について解釈&考察をしていきたいと思います。

 

米津玄師さんから菅田将暉さんへの熱烈なラブコールによって実現したコラボ曲『灰色と青』ですが、歌詞には一体どんな意味が込められているのでしょうか?

米津玄師「灰色と青」はどんな楽曲?

灰色と青」は2017年11月に発売された、米津玄師さんにとって4枚目のアルバムとなる「BOOTLEG」に収録されています。

 

本作は俳優の菅田将暉さんがゲスト参加した事で話題となりました。

 

人気アーティストと人気俳優のコラボはとても話題になりましたね!

 

なんともお洒落なMVの『灰色と青』。公園のブランコで歌っている姿がこんなにも格好良いなんて、お二人のカリスマ性を感じます。

 

菅田さんと米津さんは曲だけでなく、その独特なファッションセンスも人気を集める理由の一つですね。

「灰色と青」は、菅田将暉じゃないとダメだった?

 

菅田さんとのコラボの実現は、米津さん本人の強い意志があっての事だったようです。

米津さんは菅田さんのラジオ菅田将暉のオールナイトニッポンでこう語っています。

「絶対に一緒にやりたい!」って強く思ってて。
で、もうこれは口説けなかったら終わりだ!みたいな感じで食事会に行ってたから、ウィスキーとかガンガンに飲んじゃって・・

引用:菅田将暉オールナイトニッポンより

なんでも、菅田さんのドラマや映画などの出演作品を見て、びびっときたそうですよ。

米津玄師「灰色と青」歌詞の意味を考察!

さて、そんな菅田さんと米津さんのコラボ曲「灰色と青」ですが、

気になるのはお二人が歌うその歌詞ですよね。

果たして、「灰色と青」にはどのような意味が込められているのでしょうか?

米津玄師「灰色と青」Aメロ 歌詞の意味は?

袖丈が覚束無い夏の終わり
明け方の電車に揺られて思い出した
懐かしいあの風景

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

「覚束無い(おぼつかない)」というのは、記憶として疑わしい、曖昧な・・という意味。

 

暑かった夏も終わり、時折涼しい風が吹く季節。

シャツの袖丈を悩んでしまうような、そんな季節の変わり目を表現しています。

 

無心で電車に揺られながら、なんとなく思い出したあの頃。

ふっと懐かしい風景が浮かびます。

明け方の電車ということなので、夜遅くまで仕事をしていたのか、朝まで呑んだ帰りなのか・・・。

物思いにふける年頃として考えると、深夜のバイト帰りかもしれませんね。

たくさんの遠回りを繰り返して
同じような町並みがただ通り過ぎた
窓に僕が写ってる

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

 

いろんな経験、いろんな失敗、なかなかうまくいかない人生。

それでも何事もなく繰り返していく日々と街並み。

 

そんな風景を電車の窓から眺めながら、あの頃とは変わってしまった自分が窓に写ります。

米津玄師「灰色と青」Bメロ 歌詞の意味は?

君は今もあの頃みたいに
いるのだろうか
ひしゃげて曲がった
あの自転車で走り回った

馬鹿馬鹿しい綱渡り 膝に滲んだ血
今はなんだかひどく虚しい

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

そんな時、ふと思い出したあの時の友達。

「君」は今でもあの頃と変わっていないのだろうか?

 

ここではきっと、小学生くらいの年ごろを表現していると思います。

「君」はきっと、あの頃よく遊んでいた親友とも呼べる存在なのでしょう。

 

二人乗りをしたり、乱暴な乗り方をしてボロボロになった自転車。

それに乗って、どこまでも探検しに行った思い出。

 

「今から、この線だけしか歩いちゃダメだからね!」

なんて決めたルールで、道路の路側帯の白線の上を綱渡りしたり・・。

 

もしくは、そのあとの「膝に滲んだ血」ということから、こけて膝を擦りむいたのなら縁石の上の綱渡りだったり?

 

そんなバカバカしい遊びで楽しんでいたあの頃が懐かしすぎて、

今の現実とのギャップに虚しさを覚えているようです。

米津玄師「灰色と青」サビ 歌詞の意味は?

どれだけ背丈が変わろうとも
変わらない何かがありますように
くだらない面影に励まされ
今も歌う今も歌う今も歌う

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

 

例え体が成長しても、世の中に紛れて「形だけの大人」になってしまったとしても。

きっと変わらない「何か」がありますように。

 

この「何か」は、純粋だった「あの頃の気持ち」や、友情など忘れてはいけないものを指していると思います。

そして、「それだけは絶対に無くさずにいられますように」という願い。

 

そんな想いと、あの頃の自分が「今の自分」を励ましてくれています。

 

これは米津さん本人を支えてる部分なのかもしれません。

そんな想いを胸に、今も歌っているのでしょう。

米津玄師「灰色と青」2番Aメロ 歌詞の意味は?

忙しなく街を走るタクシーに
ぼんやりと背負われたまま
くしゃみをした
窓の外を眺める

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

ここから、主役は先ほどの「君」とチェンジします。

 

忙しい毎日を送る「君」は、タクシーに揺られながら少しだけ気を抜いた瞬間のようです。

移動中、窓の外を眺め 眩しさにくしゃみが出たのかもしれませんね。

 

まさに仕事に忙しくしている「菅田将暉」さんが想像できます。

とにかく忙しく、日々に追われている状態なのでしょう。

心から震えたあの瞬間に
もう一度出会えたらいいと強く思う
忘れることはないんだ

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

見るもの全て、出会うものすべてに感動を覚えた子供の頃。

今では大人になって、そんな感動すらも覚えなくなってしまった。

 

大人になると、忙しさに追われて、大事なものを忘れがちです。

 

だからこそ、あの頃みたいな「純粋な気持ちと感動」は、忘れられないのかもしれません。

米津玄師「灰色と青」2番Bメロ 歌詞の意味は?

君は今もあの頃みたいに
居るのだろうか
靴を片方茂みに落として探し回った

「何があろうと僕らはきっと
上手くいく」と
無邪気に笑えた 日々を憶えている

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

ここでは、①番の君とは入れ替わっています。

「君⇒①番の主人公へ」

 

時期が一緒かどうかは分かりませんが、同じように「君」はどうしているのだろう?

と懐かしんでいます。

 

遊びに夢中になりすぎて、靴をいつの間になくしてしまったのか?

それとも、「靴飛ばし」をして遊んでいたら、茂みに入ってしまってなかな見つからなかったのか・・。

 

そんな何でもないあの頃の一瞬を、まるで昨日のことのように思い出しています。

 

俺たち2人なら、絶対に何でもできる!

 

青の頃は本気でそう思っていた 純粋な気持ち。

そして笑い合えた「笑顔」をはっきりと覚えている。

 

(※米津玄師さんプロデュースの「パプリカ」にも繋がる、無邪気な子供時代ですね。

米津さんは、この時代への思い入れが強いのかもしれません。)

米津玄師「灰色と青」2番サビ 歌詞の意味は?

どれだけ無様に傷つこうとも
終わらない毎日に花束を
くだらない面影を追いかけて
今も歌う今も歌う今も歌う

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

大人になると、うまくいかないこと、不器用で無様に傷つく事なんて毎日です。

 

それでも続いていく毎日。

そして、それをなんとか乗り越えてやっている自分自身を褒めてあげよう

という意味ではないでしょうか?

 

そしてそれを支えているのも、やはりあの頃の自分。

だから今も歌うことが出来るのでしょう。

ここでの歌うは「日々を送る」という意味での歌うと表現しているように感じます。

米津玄師「灰色と青」Cメロ 歌詞の意味は?

朝日が昇る前の欠けた月を
君もどこかで見ているかな
何故か訳もないのに胸が痛くて
滲む顔 霞む色

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

ここでは、また①番の主人公に戻ります。

朝日が昇る、夜明け前。

太陽の光に消されて、月は欠けていきます。

 

自分が見ているこの景色を、「君」もどこかで見ているのだろうか?

そう思った瞬間に、胸にこみ上げてくるものを感じます。

 

そして、わけもなく溢れてくる涙。

目に滲んで、風景が霞んで見えるのでしょう。

米津玄師「灰色と青」ラスサビ① 歌詞の意味は?

今更悲しいと叫ぶには
あまりに全てが遅すぎたかな
もう一度初めから歩けるなら
すれ違うように君に会いたい

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

今更になってふと思い出したあの頃。

すでに美化されつつある思い出。

だからこそ、なおさら今の自分を重ね合わせ、「悲しさ」がこみ上げてきているようですね。

 

あの頃の気持ちを忘れないまま、ここまで歩いてこれたなら良かったのに。

そんな後悔を感じながらも、「今ならまだ変われるかな?」という気持ち。

 

そして、その想いを胸に歩き始めたとき、「街中ですれ違うように」ほんの一瞬で構わないから「君」に会いたい。

 

そんな心の変化が現れている部分ですね。

米津玄師「灰色と青」Cメロ② 歌詞の意味は?

朝日が昇る前の欠けた月を
君もどこかで見ているかな
何もないと笑える朝日がきて
始まりは青い色

引用:「灰色と青」作詞/米津玄師

ここでの「朝日を見ているかな」は、最初のCメロと少し違ってきます。

前者は、欠けていく月に想いをはせ、切ない気持ちでしたが、ここでは前向きな印象。

 

何かが吹っ切れたように、歩き出す瞬間のように感じます。

これから朝日に照らされていく空を「君」はどこかで見ているかな?

 

何もなく変わらない日常が続くことの幸せ。

その青く広がる空がこれからの新たな未来を照らしているのだと思います。

米津玄師「灰色と青」歌詞の意味を解釈! まとめ

いかがだったでしょうか?

米津玄師×菅田将暉「灰色と青」は、懐かしい青春時代と、大人になった今の自分との葛藤を描いた曲だと感じました。

 

確かに、美化されていく思い出に、切なくなることってありますよね。

でもそれを乗り越えて、人はまた 大人になっていくのだと思います。

 

そして、その大人と子供の境目を、まるで夜明け前の「夜空」と「青空」に例えている気がします。

空に「灰色と青」が交わる頃、あなたは何を想いますか?



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